うつり木 11

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うつり木 11

それは見ていた、感じていた。今までは好きな様に魂を貪り、葬ってきた。笑える、そんな感情があればだが、今回は何か得体の知れない力が邪魔をしている。 「御神木」いつからかそう呼ばれ恐れられていた。動けないが、自分を傷付ける者には容赦なく力を揮った。皆面白い様に泣き叫び命を落とした。自分と呼ぶが、それは一つではない、「邪」が集まりそれに集っている。 だがその中で一番強く一番邪悪なのは「御神木」で首を攣った「さち」と言う名の女性の魂だった。何故首を攣ったのか今では良く思い出せない、だがそんなことはどうでもよかった。不快、それが満ちていた。二度も邪魔をされた、「得体の知れない力」それを叩き潰すことだけが今の絶対的な目的になった。
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