うつり木 13

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うつり木 13

悟と沙織は喫茶店を出た後に次回会う約束をしてそれぞれの帰路についた。 悟は店を出た後から目の端に映る影が気になっていた。 「嫌な感じ」そう表現するのがしっくりとくる。意識を向け姿を確認しようとするとフッと気配を消す。「強いな」そう感じ、祓う簡単な呪文を口にする。その瞬間目の前の電信柱にヒビが入った。そうか、ここは「あれ」に近い。「あれ」は地面に根を張ることは可能だから己の念を飛ばすことも出来るのか。 背筋がぞわりとする。久しぶりの感覚、祓う対象が強い時に感じるあの嫌な感じだ。
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