き・し・ん16 想い

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き・し・ん16 想い

源は舞のことが気になっていた。 体育館事故当日の夜に親から聞かされた話も現実離れしていて俄には信じられなかった。 彼は冗談が好きで仲間と楽しく過ごすことが一番大切だと思っている。 だが、舞にも自分にも正義にも何か良くないことが起きているのではないか。 それはあの「転校生」が来てから始まったのではないか。 綺麗ではあるけれど、少し時代遅れのものの言い方、そしてあの反射神経と怪力。 背中がゾクリとし、ベッドの後ろを振り返る。もろんそこには何もなく、見慣れたアイドルの写真が貼ってある。 「頼むから皆んな無事でいてくれよ。大事な仲間なんだから」 神様なんて信じないのに、その時は手を合わせ目を瞑り何かに祈っていた。
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