彼女はいなくなった。

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椎名の事か。 わかるよと答える。 「あの子とは結構仲いいんだけどさ。なんていうか…所謂嫌がらせを受けてるみたいなんだよね。」 初耳だった。席は近いもののそんなことが起こっているというのは気づかなかった。 「昼休み加藤くん教室いないもんね?最堂さんとかほら、神崎くんとかからやられてるみたいなんだよね。」 椎名は大人しいタイプだ、いかにもいじめられやすそうといった感じだ。 「そうなんだ…」 話を聞くとはいったもののこれといったアドバイスを俺にはできなかった。 「それで…さ助けてあげたいなって思うんだけどなんていうか、勇気が出ないっていうか」 「そうだよな‥」 聞くと椎名へといじめというのはいわゆるお葬式ごっこだったり靴を隠したりと本当に低レベルな嫌がらせだった。お葬式ごっこに関しては花瓶まで用意したと言う。 「ほんと、よくやるよなあいつら。」 「やっぱり助けたほうがいいかな?」 広川がこちらを見つめ言う。しばらく悩んだあと 「まぁ、堅物の話だから鵜呑みにしなくていいんだけどさ、俺は多少のリスクを負ってでも助けたいって思うならそうした方がいいかなって思う。」
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