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そして昼休み。
メールで連絡を取り合い、会社近くのカフェで落ち合った美来と私。
「ほんっとうにごめん!!
話聞いてたら頭来て、つい飲み過ぎちゃった!」
美来は、パンっと大きな音を立てて、両手を目の前で合わせる。
「いや、いいよ。
来てくれてありがとう。
あれだけ怒ってくれたから、私も冷静になれたし。
健太くん怒ってなかった?」
「健太は怒ってないよ!
いつものことだから!
それより、優香は冷静になりすぎ。
もっとこう、感情を表に出したほうがいいよ?
怒ったり泣いたりしてないでしょ。
体に毒だよ」
美来の何気ないこの言葉に、花田さんの前で涙した自分を思い出す。
そしてその後の…
「…?」
つい、顔が真っ赤になった私を見て、首をかしげる美来。
私はごまかすように咳払いをして、メニューに目を落とした。
「お…おかげさまで泣きはらしたから大丈夫。
えーっと…私はこのパスタにしようかな?」
「優香」
「……」
「全部話して」
どうにも、美来には隠し事はできないようだ。
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