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「本当はね?
俺も大人だし、優香ちゃんが弱ってるこのタイミングで付け込むつもりはなかったんだ。
でもあまりにも可愛いから…」
私の髪を触る花田さんの長い指が、また私の頬に触れる。
「やっぱり…
無理だわ」
その言葉をつぶやいた直後。
花田さんは私の手首を掴んで引き寄せ、熱い唇を私の唇に重ねた。
「…花田さんと…キス…?」
唖然としている美来の前で、私はあの日の夜にワープしたかのように高鳴る鼓動を抑えることに必死だった。
「そ…そのあとは?
まさか…」
そう言って口元を抑える美来に、私はブンブンと首を横に振った。
「ないない!
タクシー呼んでもらって帰ったから!!」
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