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美来に言った通り、あのあと、花田さんは私のためにタクシーを呼んでくれた。
私は、バーのある地下から上がった目の前に止まったタクシーに乗った。
「あの…ごちそうさまでした」
うつむきながら頭を下げる私。
花田さんはそんな私の手首を掴んで、またもズイッと顔を近づけた。
「悪いことしたけど…
逃げないでね?
俺から」
そこからは本当に、ほぼ記憶にない。
帰り道、帰宅後、私はどうやって次の日を迎えたのか…
ただただ、花田さんの切れ長の瞳が私を捉えて離さない。
その初めて見る表情が…
何度も私を混乱させ、熱くさせた。
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