思い焦がれる

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しばらく赤らんだ顔を冷まして、私は席に戻った。 カウンターからテーブルに戻ってきた健太くんと、美来が私に、遅かったね、とだけ告げて、また2人で話の続きに花を咲かせている。 私は目の前のベリーニに口をつけ、気づかれないように花田さんに目を向けた。 …悔しいくらいに普段通りの花田さんだ。 カウンターの女性に柔らかな笑みを浮かべながら、シャンパンを注ぐ。 慎吾くんにカクテルの作り方を教える。 グラスを拭きながら、こっちを見て… ニコッと微笑む。 思わず、ぶっと吹き出しそうになった私を見て、美来が笑った。 「ちょっと何ー?! ところで優香、あんたちゃんと話したの?」 健太くんの前で、堂々と言い出す美来。 もう酔ってる… 「何?誰と何を話すの?」 私と美来の顔を交互に見ながら、健太くんが尋ねた。 私はため息をついて立ち上がる。 「…今日は先に帰るね。 美来、また来週。 健太くん、美来のことよろしくね?」 えー!?まだ早いよーとブーブー言いながら私を引き留めようする酔っ払い2人を、半分無視する形で私はテーブルにお金を置いて、歩き出した。
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