思い重なる

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「…眠っていいよ? 遅くまで待たせて眠いでしょ?」 花田さんの腕の中。 いまだ夢のような目の前の光景に… 私は眠れずにいた。 「ううん… 何か寝るのもったいない」 私のベッドの中。 花田さんの初めて見る男らしい体が… 私を包み込んでいる。 「…俺も」 そうつぶやくと、花田さんは軽く私にキスをして、微笑んだ。 この先も慣れることなんてあるんだろうか… 私は掛け布団を思い切り引っ張り、赤くなった顔を隠した。 そんな私をクスクス笑う花田さんに、私は思い出したように顔を上げる。 「そうだ。 …こんな時に聞くことじゃないけど… あの… 綾子さん?とは… いつまで付き合ってたんですか?」 「え?」 「だって気になるじゃないですか。 3年前から私のこと気になってたって言ってくれたのに… あんなに仲よさそうだし…」 「……」 少し拗ねたように。 私が思わず口を尖らせ、モゴモゴと話すと、花田さんはしばらく黙ってから、ゆっくり体を私から天井の方に向ける。 「いつだったかな… あいつの初恋なんだって言われてね」 「……」 初恋… 長そうだなって覚悟はしてたけど。 まさか花田さんのことが初恋だったなんて… ショックを受けた私はひっそりと固まっていた。
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