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「好きだ好きだって言われたんだけど、どうしても俺は子どもにしか思えなくて」
「…え…」
「あいつが確か…
5歳とかだったかな?」
「……」
私は上を向く花田さんの腕をパチンと叩いた。
「もう!
真剣に話してるのに冗談言わないでくださいよ!」
花田さんは、あははと声を上げて笑い。
再び私を抱きしめた。
「ごめんごめん。
でも本当なんだよ」
その声に私は、へ?と間抜けな声を出して、花田さんの方を見上げる。
「あいつ…
綾子は俺の姪っ子。
姉の娘だから」
「……」
私はガバッと半分体を起こし、思わず頭を抱える。
「…うそでしょ?」
「ほんとだって。
11も離れてるんだよ?
あいつまだ24とかだし。
俺のことなんて、頼れるおっさんとしか思ってないよ。
もちろん俺も女としてなんて見たことない」
呆然とする私の腕を花田さんは横になったまま優しく引いて、また私を抱き寄せた。
「気にさせたのは悪いけど…
こんな可愛い優香がみれたから。
それはそれでラッキーかも」
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