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2週間前には想像もしていなかった。
こんなに甘い時間がこの世にあるなんて。
花田さんは、大人で落ち着いていて、あまり気持ちを表に出さない、居心地のいい人だとずっと思っていた。
なのに。
私のことを全身で愛しいと表現してくれる。
そのギャップが、何だか自分の都合のいい夢を見ているみたいで。
余計に胸がむず痒くなった。
たった2週間で、こんなにも心が動くとも思えなかったし。
たった2週間で、こんなにも心が動いてはいけないと思っていた。
現実離れしたこの現実をもう少し噛み締めたくて…
私は花田さんの胸に顔を埋めた。
「え…姪っ子?
女としてなんか見てない?
5歳の時の初恋相手?」
あれから花田さんと少し眠って。
土曜日も仕事の花田さんは、昼前に帰り、barrelに向かった。
私はというと、心配をかけていたさえちゃんに、とにかく早く連絡しようと、花田さんと付き合うことだけメールしたんだけど…
【今すぐルーチェに集合です】
とだけ返信があり、初めて休みの日に、さえちゃんと2人でランチすることとなった。
私が昨日のことをざっとすべて説明したのち、さえちゃんは目を丸くして首を傾げて言った。
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