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そろそろ解散かというとき、権吉くんがスマホを掲げる。
「みんなで連絡先交換しませんか」
わたしを見ていたから、いいですよ、と頷いた。ほっと息をつく権吉くんを見て爽くんは、くつくつと笑っていた。
このときは爽くんに対して特別な何かはなかった気がするんだけどねえ。
遊びの誘いはだいたい権吉くんから来た。権吉くんから届く文面にはだいたい爽くんの名前があって『ソウも言ってたし』みたいに権吉くん越しに爽くんの意見を聞いていた。
ボードゲームカフェ以外にもダーツバーとかカラオケとかにも行ったけれど、なんだかんだでボードゲームカフェがいちばんお気に入りだった。
ソウはどこでもいいっていうから、と権吉くんから参考までにつぎの集まりで何をやりたいか聞かせてほしい、と尋ねられた際、わたしはだいたいボードゲームをやりたいと答えていた。
集まりも回数を重ね、覚えたゲームは数知れずだ。
なかにはスマホと連動した謎解きゲームなんてのもあって驚いた。でもなんだかんだシンプルなルールのものに落ち着いた。
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