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素直に考えればこれはどっぺるげんがあで、しにがみではない。
このゲームでは相手から差し出されたカードを確認してべつのプレイヤーに回すこともできる。その際、ほかの絵柄を宣言することもできる。判断するのがいやになってきた。ささっと千慧に回してみようか。瞬間で答えてカードをめくるだろう。
と、あなたの表情がゆがむ。ポーカーフェイスの正反対みたいに、ひょっとこめいて口を尖らせたり、あえて渋面を作ったり、唇を下げて顎に皺を寄せたりした。
やりすぎな変顔にわたしは小さく笑った。勝負を誘っているのだろう。……たぶん。
受けて立ってやる。
向こうからすればわたしがうそだと答える公算は高い。
あえてしにがみを宣言したのはそれが本当だからなのか。
――ちょっと待った。
そこまで折りこみ済みなら、本当にしにがみである可能性もなくはない。
――いやいや待て待て。
さらにそこまで読んでどっぺるげんがあをしにがみと宣言していたら……?
これじゃ堂々巡りだ。信じよう。信じて負けるなら本望だ。裏向けのカードに手をかける。
「これは、ホント」
めくった。
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