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白い取っ手を掴み、扉を開く
僕は覚束ない足取りで部屋から出た。軽く質問をされ、答える。意識は朦朧としたままだ。
「では、お元気で。」
意味の分からない言葉をかけられた僕は、建物から足を踏み出した。
「…ここどこだ。」
恐る恐る腕時計を見る。
「わあああああ!!!!」
腕時計が指す時刻は思った通り、出社時刻をとうに過ぎている。
「と、取り敢え会社に連絡…」
ポケットに手を突っ込むと、指先に特有に感触。出してみると、一人の女性が写った写真だった。だが、写っている女性に見覚えはない。
「なんだよこれ…?きもっちわりぃ…」
僕は写真を放り投げ、大通りを目指して歩き出した。
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