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血が騒がないわけはない。
操の人生で、もっとも充実していたのは、取材に明け暮れた4年間だった。単調な今の仕事に満足しているかといえば、それを否定する自分がやはり内部にいる。
しかし、そういった、かつての自分と連続してある自分は、いっぽうで、明らかに断絶してしまっている現在の自分と相克を起こす。二つの自分などというものはないと操は考える。現在の自分がすべてなはずだ。そういってふりきればいい。
だが、古傷がうずくように心がうずくのだった。
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