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「あら、いらっしゃい。おはようございます」
操に気がつくと、女の子は明るい声をあげた。
操は、朝食をとるのに、少し迷ったすえ、昨日の喫茶店を選んだ。入り口付近にはブラックボードが立ててあり、「モーニング Aセット Bセット 喫茶Michi」と書かれていた。
「おはよう。モーニングBセット、アメリカンで」
「はーい、B、アメリカン」
女の子は振り返ってカウンターの奥に呼びかけた。
操は思いついて言った。
「この店、またつかわせてもらうかも知れない。連絡先を聞いてもいいかな」
「じゃあ、これ」
女の子は黄色のマッチ箱を操に渡した。
「今どき、マッチって、珍しいかも。ここに電話番号が書いてあります」
「ありがとう。Michiって、道路の『道』のこと?」
「ううん、私の名前。美知って名前なの」
快活に彼女、美知はこたえた。
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