01.別れるための決意

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グイグイと押され気味に痛い質問を投げかけてくる和美ちゃんをどうにか躱して帰る準備を始める。 確かに彼女の言う通り、私は今でも砂羽くんが好き。 月に1度のペースでするデートは本当に楽しいし、いつも私の歩幅に合わせて物事を考えてくれるところも好き。浮気さえ除けば言うことナシの最高な彼氏なのに、きっと砂羽くんは私じゃ物足りないんだと思う。 和美ちゃんが言っていた『普通は3ヶ月くらいで床入りするもんでしょ』って言葉を聞いた時、私は驚きの余り本当に顎を外してしまった事がある。 砂羽くんと私の間には1年経った今でも、和美ちゃんの言う"床入り"には及んでいない。キ、キスは数回あるけれど、それ以外は一切全く何もなかった。 ───だから彼は、他の女の子の元へ行ってしまう。 「なんで平気で他の女の子と一緒に居れるの!?」だとか「別れてくれないなんておかしい!」だなんて思っていたけれど、女の魅力に欠けているであろう私の所為でもある……と、本当に少しだけ思っていたりもする。 根本的に似合わないんだろうね、私と砂羽くんは。 そこまで答えが出ているのだから、あとはどうすればいいかなんて自ずと分かる。
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