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「おまっ、俺のこと本当に知らない!?昨日クラブで会ったんだけどね!?俺女の恰好してたから仕方ないかもしれないけどそこまで!?」
「……え」
「俺の腕の中で昨日思いっきり泣いたろ!?」
「も、もしかして」
「そう!イエス!さぁ!」
「昨日のオネーサン!?」
「うんまぁ間違ってないから正解。俺男だけどね」
昨日、砂羽くんを追いかけて行ったクラブの受け付けをしていたオネーサンだった。
友達の代わりにアルバイト女装しているだけだと言っていたけれど、だからと言って高校生だとは知らなかった。
飛び出るんじゃないだろうかと思うほど目を見開いて、昨日の醜態を思い出していく私と、「俺ずっとオネーサンって呼ばれるの嫌だな」と言いながら笑う彼。
まさかこんなところで再会するなんて思ってもいなかったから、突然のソレにどうしようかと悩みに悩む。
全く知らない人の前でピーピー泣き喚いて、こいつは馬鹿だと思われていたらどうしよう。浮気する彼氏を追いかけて身の丈に合わないクラブにまで足を運ぶなんて愚かな奴だって鼻で笑われたらどうしようか。
「昨日さ、上手くいったの?」
そんな悩みは全部、彼の一言でピタリと収まった。
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