01.別れるための決意

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「あの」 「俺もさ、最近彼女と別れたんだけどね。まぁ浮気されてからの突然別れを切り出されたって言うダブルアッパー食らって」 「そう、だったんですか。オネーサン格好いいのに」 「オネーサンって言うのやめて?」 だから昨日、見ず知らずの私をあんな風に慰めてくれたんだ。 『アンタは悪くないじゃんよ』『自信をなくしたらダメ!』だって、あの言葉が思った以上にすごく嬉しかった。 和美ちゃん以外の人に砂羽くんの浮気を軽く相談してみても、みんなは口を揃えて"あんなにイケメンの砂羽くんだから仕方ないよ"だなんて答えが返ってくるからずっと悔しかった。 挙って彼の味方で居る人ばかりだったから、オネーサンに言われた言葉は今もずっと覚えている。同じ経験をしていた、からこそのものだと思う。 「き、昨日はありがとうございました」 「お、いきなり大人しくなったね」 「あ、あの……、昨日背中を押してくれたのに私、今日1日ずっと彼氏のこと避けてて」 「うん」 「なんだかもう自然消滅万歳!みたいな気持ちになってて」
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