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「言っとくけど俺、梨真が例え離婚届け持ってきても別れてあげないから」
「は、はぁ!?さ、砂羽くんと結婚なんてするわけないでしょ!きゅ、急にとんでもない事言わないでくれるかなホントもう!」
「……そっか。結婚って言う手があったね」
予想外なことを真顔で言う彼に驚いて思わず飛び跳ねた。
結婚だなんて冗談で言っているに決まっているんだろうけれど、それでも意識してしまう。
顔が赤くなったことを知られないように慌てて距離を取って覆い隠した。
砂羽くんがどんな色仕掛けで私を酔わせようとしても無駄だよ。
だって私と彼の想いには擦れ違いがあり過ぎる。今は砂羽くんとの未来を描けない。
私の中に居る砂羽くんが、これからもっともっと薄れていって今よりも好きって気持ちがなくなったら、今度こそ絶対に別れてやるんだから。
……私から砂羽くんをフッて、みせるんだから。
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