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めんどくさい子の恋愛
わたしは、あなたが嫌い。
そう言うと、あなたはいつも、世界で一番優しい笑顔でわたしのことを見つめながら、世界で一番優しい口調で「オレは好きだよ」って言ってくれるけど。
わたしは、あなたが嫌い。
だって、わたしは、わたしが嫌い。
わたしは、世界で一番わたしが嫌い。
醜くて、頭が悪くて、一人じゃなにもできなくて。
わたしは生まれたときから、わたしのことが嫌い。
わたしが嫌いなわたしのことを好きだというあなたを、好きになれるわけ、ない。
こんなわたしのことを好きだというあなたが、嫌い。
「泣かないで」って、言わないで。
世界で一番心配そうな顔して、泣いてるわたしを、見ないで。
優しく優しく、わたしの髪を撫でないで。
あなたに優しくされるほど、ダメなわたしが浮き彫りになる。
わたしは、もっとわたしを嫌いになる。
わたしは、もっとあなたを、嫌いになる。
嫌い、嫌い。あなたなんか嫌い。
あなたのこと嫌いなわたしが嫌い。
あなたに優しくされるわたしが嫌い。
だから、ずっと、あなたのことが嫌い。
わたしがわたしを嫌いな限り。
「いつか好きになれるかも」なんて希望は絶対に持たない。
きっと、あなたはこんなわたしから離れてく。
あなたがわたしを嫌いになる日まで、わたしはあなたが嫌い。
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