憂鬱

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「ねぇ、もしだけど、うちの会社の面接を受ける気ない?」 梨香が少し前のめりになり言った。 「会社の面接?あるんですか?」 驚いて声が大きくなった。 「うん、うちはそういう媒体には載せてないの。パソコン主体の会社だからウェブで募集してる。確か、一年だけ情報処理の学校通ってたって話してたよね?パソコンはある程度出来るよね?」 「はい。プログラミングとか言われてもさっぱりですけど、ワード、エクセルは使えます。」 「メールとか、添付ファイルとか、送れる?」 「はい。一応…。」 「じゃあ、受けない?私、結婚を機に仕事量を減らすのね。 今は代表の二人の共同秘書なんだけど、片方だけになるの。 もう片方の秘書を探してるとこなの。 仕事はパソコンでのスケジュール管理。 スマホにスケジュール送ったり、資料送ったりがほとんど。 受けるだけ受けない?私が個人で決められないし、書類を入れる事は出来るから…。どうかな?」 「有難いです。面接だけでも。お願いします。」 「じゃあ、パソコンはあるよね?うちのHPから、履歴書書いて送信して? これ、名刺。HPのアドレスと私の会社のメールアドレス載ってるから、出したら私にメールして。明日中に出来るかな?」 「やります!梨香さん、ありがとう。」 「ううん、まだ決まった訳じゃないから。あ、ごめん。仕事の途中だった。 じゃあ、何かわからない事あったら、個人スマホに連絡して。 ごめん、またね。」 席を立ち、お礼を言い見送った。 一社でも多く受けられるのは助かる。 チャンスは多い方がいい。 憂鬱が少し晴れた。
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