6854人が本棚に入れています
本棚に追加
デート……ですか?
強制的に取らされた休日の朝。
水菜は姿見の前で洋服を出して悪戦苦闘していた。
「買い物行こう…て、そもそもなにを買うの?
話の流れから行くと洋服よね? 社長、高いところに行くわよね?
何着ていけばいいの?ていうか………社長が洋服を買うところで自分の服なんてとても買えないけど……。」
ブツブツ言いながら悩みに悩んだ挙句、無難に薄いグレーのワイシャツ、タイトな裾の長さが違う長めのベージュのスカート。
ベージュのジャケットをチョイスした。
「地味?」
鏡を見て一人、鏡の自分に聞いた。
「こういうのしかないのよ!それに大人っぽくは見えるでしょ?」
自分に言い聞かせて納得させる。
間も無く、水菜の部屋がノックされる。
ドアを開けると普段あまり見ない、ベージュのスーツを身に纏った真がいた。
「当たった!水菜はベージュかなぁと思った。ペアだ。」
嬉しそうに笑っていた。
最初のコメントを投稿しよう!