嫌な奴ほど覚えてる

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エレベーターが開くと目の前にガラスの自動ドア。 受付らしい女性が一人いる。 可愛いピンクのスーツ。 ガラスの自動ドアには、デザイン性抜群の「エターナルエモーション」の文字が書かれている。 (いちいちお洒落だな…。受付、制服だったら引くかも…。) ブラック水菜が出て来ている。 場違いすぎて黒くならないと耐えられないのだと思う。 「おはようございます。ご用件をお伺いします。」 受付は立ち上がり、お辞儀をし笑顔で聞く。 「面接を受けに参りました。石原と申します。」 面接…の言葉と同時に受付女性に下から舐める様に見られる。 (え?なんか変?) その日は面接だから、黒のリクルートスーツを着て、黒の低いパンプス、ストッキングに、黒の鞄。 髪は肩下までの黒髪を後ろ一つに黒ゴムで纏めていた。 「どうぞ、左のドアからお入り下さい。中に秘書の今川がおりますので。」 「あ、ありがとうございます。」 お辞儀をしてドアまで進んだ。 取り敢えず、今川という名前に安心した。
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