エターナルの最終兵器

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3日後、運悪くというかタイミングよくというか、ベターとエタエモの共同開発祝いで宴席が設けられていた。 宴席と言っても、うちの会社のロビーにケータリングを頼んで、出張シェフを呼び、クリエイティブやエンジニア混ざってのお疲れ会だ。 双方の社長の挨拶が終わり、乾杯の声がすると会場はざわざわ賑やかになった。 梨香は副社長の傍でいろんな人に挨拶していた。 それを遠目で見ながら、端にいて、シャンパンだけを手にひっそりと飲んでいた。 こういう席も苦手…。 シャンパンのグラスを手に、1番奥の普段は近付かない窓に近づいた。 30階だけあって眺めが良い。 5月にこの会社に来て半年が過ぎて、もう陽は沈みきって暗くなろうとしていて、電気はあちこちで光っていた。 (ここで夜景見るの初めてだなぁ。秘書室には窓がないものね。) この景色はいい、と思いながら眺めていた。 「綺麗だよね?光る分、人が住んでると思うとホッとしない?」 ベターの社長、岩永 勉(いわなが つとむ)が、そこにいて横に立ち話し掛けてきた。 「こんばんは。皆さまとのお話は良いのですか?」 「うん、苦手だしね。重要な人はそちらの社長と副社長、通信会社代表くらいでね。もう終わったし……石原さんの社長は僕と同じで苦手だしね。」 通り過ぎようとしたウェイターからグラスを置いて二つ取った。 「どうぞ。美味しかったですよ?」 「ありがとうございます。」 「いつも逃げられちゃうから、ここで五分、いいかな?」 お茶目な感じで聞いてきた。 「もう過ぎてると思いますけど?」 飲みながら答えて、どうぞ、と付け足した。 「うちに来る気はない?事務方として。」 「事務、ですか?」 「秘書がいいなら、傍に置くよ?肌身放さずにね?」 「放して頂いた方がいいです。」 岩永は笑い、 「そう言うと思ったから、事務で誘ってる。」 と答えた。
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