ジャイブのバック

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「午後はずっと開発チェックだなぁ。」 エレベーターホールで真は嫌そうに呟いた。 「社長の開発するアプリは便利だから好きです。お年寄りにも分かりやすい。 次も期待しています。」 「あ、ああ…。うん、頑張る…よ。」 優しい顔付きで言うので、真はポカンとしていた。 18時になる前に何度目かのコーヒーを運んだ。 「社長、失礼します。コーヒーをお持ちしました。 何もないようでしたらこれで帰りますが、よろしいでしょうか?」 パソコン2台を触りながら、何か他の機材もくっ付いていた。 真はそれに夢中だ。 「ああ、いいよ。お疲れ様。」 「お疲れ様です。では………お先に失礼致します。」 見ていない真の前で深々と頭を下げた。 (男としては最低、人としてはまぁまぁ。根はいい人なのよね。 印象は最悪だったけど、この半年は配慮もされて良くして頂いた。) 「社長?」 「んー?」 「あまり根を詰めて無理をされない様に。ありがとうございました。 お昼、楽しかったです。ではさようなら。」 「ああ、気をつけて…。」 パソコンから目を離さない真を見ながら、階段を降りる前に振り向いてお辞儀をした。 そして、下で梨香と握手をして、会社の社員証を返し、お客様用のカードを受け取った。 ゲートを出た後、それを一階の受付に返した。 背伸びをしていた半年が、長かった様な短かった様な、そんな気分だった。
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