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「社長!起きて下さい!寝るのはいいですけど、時間です!」
でかい声、社長を社長とも思わない態度。
今川梨香(いまがわ りか) 26歳
一緒に会社を作った親友の彼女、いや、もう婚約者。
俺たち共同経営の秘書をしている。
「声、大きい……。響く。」
ヨロヨロとソファから起き上がる。
「二日酔いの薬です。液体ですからすぐ飲んで下さい。
また、同じ飲み屋ですか?最近は飲み屋通いらしいですね?
セフレはいいんですか?」
「面倒。」
「珍しいですね?抱かないとアイデア浮かばないとか、やる気でないとか言う人でしたよね?」
「軽蔑の目で見るなよ。そういう時もあるの!男は……。」
ここの社長室には泊まり込みも多い為に、机の後ろの壁に分からない様に扉があり、寝室が付いている。ミニキッチンもあり風呂トイレ完備。
つまりはここで生活が可能。
ダブルのベッドに女の子を連れ込んでは、スッキリした気分で仕事をこなすのが俺のスタイル。
遊びに行く時間もないのだから仕方がないと思う。
「シャワー浴びてスーツでお願いします。
それから私の後任の面接は終わりましたか?」
「ああ、終わったけど、断った。女はセフレのセッティングまでしないって言うし、男は細かい事に気付かない。」
「セフレの予定を入れさせる事がまずセクハラ!いるわけないでしょ?
幼馴染で幸人の親友じゃなければ、私も辞めてるからね?」
「梨香は昔から男だろ?さっぱりしてて付き合いやすいんだよな。
幸人がすごいわ。いないかなぁ…梨香みたいに仕事って割り切れる女。」
「また面接募集します。セフレはご自分で管理して下さい!
1時間後、新しいクライアントと打ち合わせです。ここにお出でですから、お出迎えお願いします。」
「はいはい。」
梨香はまもなく結婚。
時短で働くため、旦那になる幸人の専属秘書になる。
(秘書選ぶの面倒〜〜!)
本当に面倒は嫌いだ。
「真、梨香もらって行くよ?」
立花 幸人(たちばな ゆきと)が、ドアのところで顔を出して言う。
「おお。幸人ぉ〜。俺の秘書面接してくれよ。」
「俺がやったら、男で体育会系選ぶけどいいか?」
手を横に振り答えた。
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