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水菜がいない
翌日、キチンと座り、水菜を待った。
「おはようございます。今日のスケジュールですが、打ち合わせが午前中にあります。午後は開発に没頭されて結構です。」
真はぽかーんとして目の前の相手を見た。
「ちょ…待て!水菜は?休みか?風邪?」
「いえ、体調不良で実家に戻るそうです。昨日付けで退職しました。
新しい秘書は午後に来ます。男性です。プログラミングも出来るそうですので、しかも、社長のファンですって!信じられます?
いるんですねぇ、ファン。驚きました。」
淡々と梨香は話した。
「そこじゃないだろ!認めないぞ?退職?絶対ダメだ!」
「お言葉ですが、いち従業員が退職を決意しました。
自分の体を考えての事です。社長に反対する権利は御座いません。
ここで仕事をしていたら病状は悪化します。
社長に責任が取れますか?」
「もっと、忙しくない様にする!休みも増やすし、そうだ、梨香みたいに時短で…。」
バン!
梨香が机を叩いた。
「この半年、真のわがままにも付き合って良くやってくれました。
セフレに関しては自分で呼ぶ様になったし、でもね、あんた成長はしてないの。わがままは減ったかもしれないし我慢も少しは覚えたでしょうね。
だけど石原 水菜って真の何?
ただの秘書でしょ?従業員、絡んだ事も謝ったし水菜も許した。
もうそれで終わり。気になった?それも答えは出たでしょう?」
「出てないと思う…。」
「ばか?水菜がそれに付き合う義理はないの!彼女には彼女の人生があるの。
社長でもとやかく言えないの!分かった!
新しい秘書クビにしたら全部自分でやんのよ?じゃあね。」
ふん!
という音が聞こえそうな感じで梨香は下に戻って行った。
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