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多分、君のことが好き
「終わったよ。梨香の不満を聞こうか?」
真は机に座ったまま、時々、パソコンをカタカタ言わせて梨香を見た。
「明日は、幸人とクライアントに会うの。食事会。
誰かさんが嫌がるから!だから、明後日!水菜も良いって。
三人と言いたいとこだけど。幸人も心配してるし四人で予約入れた。
あんたの奢り!」
「幸人も?ちょっと嫌かも……。」
不機嫌そうに椅子に背を倒した。
「何を言ってるの。約束まで取ってあげたのよ?真はスマホの連絡先知らないでしょ?明後日、19時、鳳仙ね。」
「うちのビルの前じゃねぇか。しかも中華。」
「いいじゃない。どうせ戻れって話でしょ?個室だよ?四人なら予約も取りやすいし、フカヒレ奢りね。」
「水菜、何て?」
「小籠包大好きです!楽しみにしてます。」
メールを読み上げると真の顔がほころぶ。
「いい、小籠包、いっぱい頼もう。」
「バカ丸出しね?それで、ここはいいとして、あんたが寝泊まりする部屋をなんで経費で落とすのか…よ!」
最初の話に戻す。
「ああ、水菜、見ちゃってるだろ?嫌じゃないか?仕事戻ってそこ見ると思い出しちゃうだろ?発作、出るんじゃないか?」
真剣な顔で言われて梨香も考える。
「まぁ………そう、かもね?悪いのは真だけど…。」
「だから戻りやすい様に部屋の雰囲気を変えようと思って。壁も今はクリームだろ?明るい薄いグリーンとかにして、ベッドも小さめにしてその代わりに大きいソファ置くんだ。風呂も改装して、ミニキッチンももう少し大きくする。」
目を輝かせ真は語る。
「ねぇ、何の野望なの?」
意味不明!と梨香は叫んだ。
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