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エタエモ復帰
11月になり、退職したはずの会社の社長がアパートの部屋の前にいた。
少し触れただけで身体が冷えきっている事に気付いた。
(急に辞めてしまったし、挨拶もしなかったから、文句が言いたいのだろうな。)
そう思って、罵詈雑言を覚悟していた。
ところが七瀬 真の口から出た言葉は、謝罪。
はっきりとした謝罪ではないが、自分の所為だ…とか、時短でも良いから働いて欲しい…という驚きの言葉だった。
だから男性不信の話を聞いたのだと理解した。
その上でお断りをした。
半年、七瀬社長は社長としてはイマイチかもしれないが、仕事は熱心で心配になるくらい、食べる事さえ、忘れるくらい。
尊敬は出来た。
だからこそのあの行為もストレス発散なのだと理解は……した。
世の中にはいろんなタイプの人がいるし、それで他を傷つけているわけでもない。
彼女達には真摯に振舞っているし、誕生日やクリスマス、会うたびにプレゼントなどもしている様だった。
それを相手が割り切っているのなら、私がどうこう言うべきことではない。
だから半年、続けて来られたのだと思う。
でも一度出た発作には、精神では勝てない。もう無理。
そう判断して辞めたのだ。
だから今更、戻る気は全くなかった。
ただ……七瀬社長が、どうしてここまでするのか?
不思議で仕方なかった。
諦めて貰うために全てを話す事にした。
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