嗤う近未来・マシンガンの子

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 中学を卒業し、春休みは銃器教習所で、合宿づくめでした。  一回目は普通銃器類取扱オートマ限定免許を取りました。その後また教習と試験に合格して、オートマ限定解除です。ほぼ全ての銃が取り扱えます。  わたしの愛銃は、ドイツ製サブマシンガン! 新車一台分の値段はします。高校入学祝いに、両親が買ってくれたんです。  同じクラスでも、ここまで高級な銃を持っているのは、わたしだけです。   大抵の子が、安い外国製の拳銃です。銃は値段が高ければ高いほど良いモノなのです。新たなクラスメイトから羨望(せんぼう)の的です。クラスメイトから、撃たれたくないですが。  学校の帰り、預金をするため、家の近所の信用金庫に寄りました。信用金庫と銀行の違いは、知りません。  高校に上がって、お小遣いも増えたんです。    信用金庫内は、少し混雑しています。受付票を取り、やや硬いソファーに座ります。これみよがしに、スカートの膝の上にサブマシンガンを置きます。    窓口の職員さんも、隣に座る白髪のおじいさんも、小さな子が指をくわえるようなまなざしで、サブマシンガンを見ています。  高校では、お嬢様育ち、お金持ちとか、陰でこそこそ言う人いますが、スルーしています。  隣に座る、おじいさんは、目を輝かせてから、優しそうな声をかけてくれます。 「いい銃を持っているんだね」 「え、そんなことないです。高校に入学した記念に、両親が買ってくれたんです」 「名品を見極めれる立派なご両親だね、私の愛銃はこれだよ」  懐から黒光りするアメリカ製の高級拳銃を取り出しました。やや型落ちの拳銃ですが、手入れが行き届いているのは、一目で分かります。
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