1、漱石生誕、そして終焉の地(新宿・早稲田界隈)    

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 この記念館の最大の目玉は、「漱石山房」と呼ばれた漱石の書斎の忠実な再現展示なのです。  ここではあの「木曜会」が行われました。いうまでもなく、内田百閒、寺田寅彦など、そして最晩年には芥川龍之介などの門下生や弟子たちが出入りしたあのサロンです。  話が脱線してしまいますが、芥川の『枯野抄』は漱石とその門下生たちを、松尾芭蕉とその弟子たちに仮託して描いたといわれていますが、もしかしたら、芥川は漱石山房の芭蕉の木を見て、あの小説の着想を得たのかもしれないと、勝手に空想してしまいました。
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