2、太宰治の生きた街・三鷹  

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 細かく記してしまいました。   言いたかったのは、これらは現在駅前の広場から住宅街に差しかかるくらいのところにあるのですが、その周りをぐるりと歩いても、わずか10分くらいの狭い範囲だということなのです。  太宰文学の大半は、この三鷹で執筆されたといっても過言ではありません。太宰の小説には三鷹のことがよく出てきます。   なので、私は、ばくぜんと、三鷹の街を闊歩し、飲み屋で管をまく太宰のイメージを持っていました。確かにそれはそうだったのでしょう。  でも、実際は、闊歩するというイメージよりは、うろつくといった方がいいような、こじんまりとしたエリアでした。それが意外だったのです。  同時に、こんな場所で、『斜陽』のような作品を書き得た太宰の想像力のつばさに、あらためて驚いたのでした。
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