マリオネットの復讐劇

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マリオネットの復讐劇

散々いじめてくれてありがとう。 おかげであなた方に復讐する決意が出来ました。 私に溜まっていた憎悪をこれからみなさんに遠慮なくぶつけることができると考えると、それはそれは気分が高揚します。これまでとは違う気持ちです。これを皆さんは「希望」とか「幸せ」って呼んでいたのでしょうか。 例えばあなたは生まれたばかりの私を捨てて、例えばあなたはそんな私を見世物にして金を集め、例えばあなたは私にたくさんの傷を作って、例えばあなたたちはそんな私を嘲笑して悪者に金を払いました。 ただ、私がオッドアイだったってそれだけで。 ただ、私の瞳の片方が黄色だったってそれだけで。 緑と黄色。この世界では最悪な色の組み合わせです。特に黄色なんて、悪魔の瞳の色ですから。 でも、その悪魔が私の前に現れてくれたんですよ。黄色い双眸を輝かせて私のもとに降り立ちました。 『君には才能があるよ』と、そう言って。 それはもう甘いお誘いでした。甘くて甘くて甘ったるくて、クラクラしちゃうようなお誘いでした。「甘言」というやつなんでしょうね。本当に甘いお言葉でした。 悪魔は私の黄色い瞳に魔力を込めてくれました。この目で見たものは私の想像の通りに動きます──例えそれが物理法則を無視していても。 さあ、これから憎悪の限りを尽くしましょう。これから私は悪魔の道化になるのです。わかっています。私の願いが満たされたら、私の魂は悪魔のものになることくらい。でも、たかが私ごときの魂で満足してくれるなら、安いものです。なんなら身体もセットでお渡ししたいくらいです。 だから、私はピエロになるのです。例え悪魔の目的がわかっていても、今度は人ではなく悪魔が私を笑い者にしていると知っていても、それでも私は進んでピエロを引き受けます。 さて、まずは誰から始めるべきでしょう。 やはり私を捨てた両親からでしょうか? いえ、それは最後にとっておくのも良いかもしれませんね……。 少女は世界の破滅を目論みながら、穏やかに笑む。
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