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「木崎……お前、まだ見城のこと気になってんのかよ」
厨房とホールとの境目で、こっそり彼の人を眺めていると、不意にトレイの裏側で頭を叩かれた。
「だって、仕方ないじゃん。まさに理想だよ、理想が服着て歩いてるんだよ?」
ホールへと繋がる扉の窓は、マジックミラーになっていて、そのおかげで幾ら見つめようとも向こうからは分からない。それを良いことに、暇さえあればこうしてとあるお客さんの姿を眺めていた俺に、
「お前のその目は、テレビの中のアイドルを見る目と一緒なんだよ」
そう言って暮科は、容赦なく出来上がったばかりのフルーツパフェを差し出してきた。
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