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たばこの匂いが嫌いだ。あの人のことを思い出すから。
春。
――告白は、私からだった。高校１年生のとき、電車で見かけてひとめぼれして、思わず好きだと言ってしまった。少し驚いた顔をしたあと「こんなおじさんのどこがいいの」とクシャリと笑う彼に、彼のその笑顔に、さらに胸が高鳴った。
「あの、私、いつもはこんなことしないんです。だけど、あなたにはいつ会えるかわからないから、だから、後悔したくないと思ってしまいました。
――連絡先、教えてくれませんか？」
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