曇りのちカレ

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曇りのちカレ

クラスメイト「おーい、そら!次移動教室だってよー!」 クラスメイトは未だ、机に抱きつき眠るソラに対し、足速(アシバヤ)に声を掛けると急いで教室を出ていった。 ソラ「、んにゃ〜?いどぅきょぉうしつぅ〜?」 ソラはまだ、眠いのか余り呂律が回っていなく、既に2人しか教室に残っていない事に、全く気づく様子も無くまた、本能に任せ眠ろうとしていた 「、、ソラ、次の授業、、サボる?」 眠る為、また机にうつ伏せになったソラの背中に、優しく抱きつく様に大柄(オオガラ)な少年が耳元で心地よい低音で囁いた(ササヤク) ソラ「んぅ〜ココロ、抱っこ。」 これが彼等(カレラ)の日常なのか、ソラの背中に抱きついたココロと呼ばれた少年は、自分とソラの授業道具を慣れた手付きで鞄(カバン)に入れ、優しくソラを抱き上げるとそのままソラを愛おしげ(イトオシゲ)に見つめ移動教室へ向かっていった。 この学園は元は男子校であり、9年前共学になったものの、コースで男女分けられている為、学園こそ同じだが、内部では完全に女子高、男子校と分けられた作りになっていた。 その為古い伝統は消えず女子コースまで伝わり同性愛の巣窟となってしまっていた。 女子の総代(ソウダイ)を白百合ノ君(シロユリノキミ) 総代の恋人を紅百合ノ君(ベニユリのキミ) 男子の総代を紅薔薇ノ君(ベニバラノキミ) 総代恋人を白薔薇ノ君(シロバラノキミ) と呼び大きな権力を有していた(ユウシテイタ)。 生徒「紅薔薇の君がまた白薔薇を抱いてるぜ」 生徒「紅薔薇の君は白薔薇の君に夢中だからな。」 ココロのソラを抱き抱え優雅に歩く姿に周りの生徒達は、まるで王が通るかの様に道を開け2人の姿を見ていた ソラ「んぅ〜ココロもう着いたぁ?」 ココロの腕の中で大人しくするソラは全く周りが自分をそういった対象で見ていると分かっていなく思春期真っ只中(シシュンキマッタダナカ)の生徒達に強い刺激となっていた ココロ「、、ソラ、落ちちゃうからギュッ。」 ソラ「あぃ、ぎゅぅ〜」 ソラは素直にココロの声に従いココロに抱きつくとまたすやすやと寝入ってしまった。 周りの生徒達は今のソラの行動に顔を赤らめ目をそらす者や、少し前屈み(マエカガミ)になり姿を凝視(ギョウシ)する者、小柄な生徒はソラに嫉妬し大柄な生徒はココロに嫉妬していた ココロはそんな周りの反応をニヤリと笑い優しくソラを抱き頬にキスすると目的地へ向かいその場を後にした 今日の授業が終わりココロに抱っこされたままソラは猫の様に甘えていた。 ソラ「ねぇねぇ、なんで皆、僕の事さ、白薔薇の君って言うけどさ、何なんだろうね?」 ココロ「白薔薇は、俺が紅薔薇って言われてるから、ソラいつも一緒だから、呼ばれてる。」 ソラ「あー、そっかぁ、赤と白のセットみたいなもんか!」 ココロを恋愛感情で見ていないソラはすっとココロの腕の中から降りるとキャッキャッと笑い楽しそうにしていた ココロはソラを愛している為自分の気持ちに気づかせて関係が壊れないか怖気付(オジケツ)いてしまい、いつもウヤムヤにしてしまっていたが、我慢の限界まで来ていた。 ココロ「ソラ、今日泊まる、良い?」 ココロは寮に入っておりソラは通い組だったがしょっちゅう泊まっていたためソラの道具は全て寮の部屋にそろっていた。 ソラ「お泊まりやったぁ!今日はねーオムライス食べたいなぁ!」 ココロ「ん、分かった。」 ココロは今日自分の想いをソラに伝える決心をし、はしゃぐソラを優しく見つめながら先に行くソラを追いかけ寮に戻って行った。 ソラ「ココローはやくー!」 ココロ「ん、待ってソラ。」 夕方これから雨になるのか雨雲が空を覆い何処かでゴロゴロとなっている様な天気になっていた。まるでこれから起こる2人の関係を案(アン)じているかの様だった ソラ「ふぃー、ご馳走様!ココロのオムライスは最高だね!僕大好き!」 夕飯を食べ終えソラの笑顔と大好きに理性が外れココロは優しくソラを抱き上げるとベッドに移動し組み敷いて(クミシイテ)いた ソラ「えっ?、、こ、ココロ?」 ココロ「ソラ、好きだ、、愛してる、、俺の、、俺だけのソラになって。」 ソラを見つめるココロの瞳は今にも大雨になりそうなほど潤み声は切なげで今にも壊れてしまいそうだった。 ソラ「え?僕、、男の子だよ?、、こ、ココロからかってるの?」 動揺して顔を赤らめるソラに自分を見ろと言わんばかりに唇を重ね想いを伝えた ソラは自分は男の子で相手も男の子だと思う反面ココロを受け入れ喜んでいる自分がいる事に驚き抵抗すること無くココロの愛を受け入れていた そのまま2人は言葉の代わりに身体で愛を感じ産まれたままの姿で朝を迎えていた。 ココロ「おはよう、、俺のソラ」 ソラ「/////っばか。」 優しく微笑みキスをしてくるココロにソラは頬を赤らめ小さくばかと呟きチュッと頬にキスを返した。 曇りのちカレ、ソラの心はカレ1杯に満たされていた。 END
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