0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
僕は今日、彼女に別れを告げようと思う。
僕と一緒に暮らす彼女はとても可愛い。
マイペースなくせに構ってほしくて、一人が好きなくせに甘えん坊で。それに、こんな僕を好いてくれている。
別れる要素がない?・・・まあそうかもしれない。でも時として好きな理由が嫌いな理由になることだってある。
僕と一緒に暮らす彼女はとても面倒くさい。
マイペースだから自分が構ってほしくないときは冷たくて、構ってほしいときだけ僕にすり寄って来る。僕が一人になりたいときとか忙しいときに限って甘えてくる。自分が好きな物しか食べないし、急にいなくなるし。イタズラはよくするし、それを悪びれもしないし。それに、僕がそう思っていると知っているのに好いてくれている。まだまだ理由は出てくる。
だから僕は今日も、彼女に別れを告げようと思う。
・・・今日もダメだった。僕が声をかけようとするたびにどこかへ消えてしまう。見つけて捕まえても、ひょいっと僕の腕から逃げていく。彼女はいつものらりくらりと僕をかわして、諦めた僕にすり寄ってこう言うんだ。
「にゃ~~~ん」
最初のコメントを投稿しよう!