七月五日

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「いや……別に……」 「そっか」  首元、胸、ワキ、胸、腕、胸……定期的に寄り道するその部位にいちいち反応せざるを得なかったし、背中にぴったりと押し付けられた柔らかな感触に、僕は想像力を掻き立てられた。  これは胸だろう。Dカップの、小ぶりではない方と言える胸だ。  それが僕の背中を上下している。僅かに漏れ聞こえる友香ちゃんの吐息が耳にやけにこびりついた。  泡塗れの手は、僕の太腿を這って流れるように陰部にやって来た。  それ以上はダメだ。  立場からもそう言うべきなのだが、何を今更と言う話でもある。ここにはそういった目的で来たのだから。  何よりも、優しく握られ上下させるその手つきに僕の肉体における欲情メーターとも言えるソイツは血を滾らせていた。 「一人でやってる?」 「……え?」 「溜まるでしょ。まだ四十歳じゃ。ちゃんと出してる?」  答えられなかった。答えるような話では無いからだ。  一部の趣味嗜好を持つ人を覗けば、そう言った行為は隠すべき行為であり、人に知られる事は恥ずかしい事だ。  そんな恥ずかしい行為を行っているかどうかを、僕は今尋ねられている。 「まぁ……その…………」 「風俗とかは?」 「行った事無いな」 「じゃあ一人なんだ」  返答出来ない事が返答そのものだった。
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