七月五日

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 同意すればこの気持ちは治まるのだろうかと考える必要も、間も無く僕は頷いていた。 「いいよ、でもゴム着けてね」  ベッドに行き、友香ちゃんは好きにしてと言わんばかりに横になった。 「あ、そうだ。言ってなかったけどお尻は無しね」 「そんな事するわけないだろ」 「それなら良いけどね」  ベッドの枕元にあったコンドームを付け、僕は大きく息を吐いた。少しばかり落ち着かせる必要があった。  まだ愛液で濡れた友香ちゃんの割れ目をかき分けるように、僕はこれまでにない性欲から解放されたがっている、鬱血した肉棒を挿入した。 「ん……」  少しばかり顔をしかめて声を漏らす友香ちゃんに、僕は慌てた。 「い……痛かった?」 「ううん、大丈夫。いいよ」  それから十秒もかからなかっただろう。  僕が性欲から解放され、垂れた精液を拭きながら、惨めな思いに駆られたのは。 「早かったね」 「溜まってたんだ」 「ちゃんと出してから来ないと」 「まぁ、でも約束だし」  そういって、僕は財布から三万円を出し、彼女に渡した。  一回三万、ゴム有り、ホテル代別。  そういう約束で僕は彼女を買ったのだ。
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