七月五日

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 食事を終えて店を出た僕らは自然と言葉も減って行った。  これから起こる事を考えたら仕方のない事だけれど、僕はどうにかこのまま彼女が帰ると言い出さないかと思いながら歩いた。  目的はホテルだった。  映画も食事も前置きに過ぎなかった。  お互いに、今日の目的はここにあるのだ。  彼女の目的は映画だったかもしれないけれど、帰らないという事はそう言う事だと思いたい。  北口のホテル街に移動して、彼女がいつも利用するというホテルに着いて行った。  二十三も年下の少女にラブホテルに連れて行かれるというのも、おかしな話ではあるけれど、望んだのは僕であり、拒否しなかったのは彼女の方だ。  部屋は実に簡素なものだった。  普通のビジネスホテルのようなものでもあったし、違いと言えば風呂にジェットバスの機能が付いていたくらいだ。 「おぉ……凄いなこれ! どうやって使うんだ?」 「まずはお湯溜めてからね」  物珍し気にジェットバスや部屋を見回す僕に、彼女は尋ねた。 「ラブホ初めてなの?」 「まぁ……そうだね。なにしろ、大学まで彼女いなかったし、その頃には一人暮らしだったから……」 「家でヤれたんだ?」 「……まぁ……そういう事かな」 
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