今日から君もデザイナー(企画)5

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今日から君もデザイナー(企画)5

②テーマ『The sky is the limit.(可能性は無限にあるよ)』 d8217086-1a0f-4767-b6f5-10449dd9964a **************************************** 「麻宮(あさみや)珈以(かい)さん、入られまーす!」 撮影スタッフの声がスタジオに響いた。 「しっかし、どう見てもウ◯コだろ……。」 「珈以くん、しーっ。今はネットで簡単に拡散されたり揚げ足取りされるからね。失言にも十分気をつけるように。」 Tシャツを見ながらポツリと呟く珈以を、風間が慌てて諫めた。 「やあ珈以くん、Tシャツはどうかな?」 デザイナーであるオオタキ本人が、珈以に近づいてくる。 長身に柔和な笑顔を浮かべ、でも年齢を重ねてダンディなこの男性が、世界で活躍する一流アーティストだと未だに信じられない珈以。 「えーっと。シンプルなのに……とても個性的ですね。」 言葉を選びつつ答える珈以を、風間は内心ヒヤヒヤしながら見つめている。 「ちなみに、珈以くんはこれ何に見える?」 「すいません、最初……白いウ◯コかと思ったんですけど。多分、違いますよね?」 長身の自分よりさらに背の高いオオタキに、上目遣いで申し訳なさそうに答えた珈以。 風間の内心ハラハラは止まらない。もちろん顔には一切出さないが。 「ハハハハッ! 珈以くんは正直でいいね。」 涙を浮かべんばかりに笑うオオタキ。 「これはねぇ、雲だよ。愛娘が描いた雲のイラストからインスピレーションを得てね。」 「雲……! それは大変失礼しました。」 慌てて謝る珈以を手で制したオオタキ。 「あぁ、気にしないで。でも、そうだなぁ。」 オオタキは自身のマネージャーを呼び、何か会話している。 一度その場を離れ、戻って来たマネージャーの手に握られていたのはマ◯キーペン。 受け取ったペンのキャップを外す「キュポン」という音を響かせたオオタキは、珈以にTシャツを脱ぐよう指示した。 その場に上半身裸で残された珈以。 その見事な腹筋を見て、女性の撮影スタッフがきゃあきゃあと浮き足立っている。 テーブルに置いた脱ぎたてのTシャツに、スラスラと何か書き込んでいくオオタキ。 「そんな格好で待たせてごめんね。」 書き終えたTシャツをオオタキから受け取った珈以は、書き足された文字を読む。 「ザ スカイ イズ ザ リミット。」 カタカナ英語で読んだ珈以に、オオタキは笑みを浮かべ流暢な英語で繰り返した。 「『The sky is the limit.』 英語のフレーズで、『空は無限』……つまり、『可能性は無限にあるよ』っていう応援メッセージだね。」 「なんかイイ言葉ですね。俺、好きです。」 そう呟いた珈以に、オオタキは笑顔で頷いた。 *** Tシャツ撮影と、オオタキと珈以の対談を収めた雑誌は、大好評で完売した。 特に、対談時の「白いウ◯コ」エピソードと、その場で書き加えられたオオタキ手書きのフレーズが話題になり、オオタキのデザイン物の定番ライン「The sky is the limit.」シリーズの誕生のきっかけとなった。 オオタキの柔和な笑顔とは真逆の大胆さ、穏やかなのに底知れぬ才能に、珈以はすっかりファンになってしまった。 世界で活躍するオオタキに憧れて、なんと英会話に通い始めたくらい。 「憧れ」は、やる気スイッチを入れる。 「The sky is the limit.」 ── 可能性は無限にあるよ。 end. **************************************** ① 企画導入部に載せた、珈以の腹チラを見て思い付いたそうです。 まさか、“J・オオタキ“がセクシーな女性だったとは(゚A゚;)ドキドキ 予想外の設定でした。 『腹筋』のフォントに玲ちゃんの拘りが感じられます︎💕︎ ② これまた予想外の設定。 『白いウ○コ』かと思いきや、雲でしたね(笑) まさか玲ちゃんから『ウ○コ』という言葉が発せられるとは!私はソコに1番驚きましたよ(*≧m≦) テーマの「The sky is the limit.」 ── 可能性は無限にあるよ。 がとても素敵です//// SSを読み終えたら『白いウ○コ』がちゃんとした雲に見えてくるから不思議 ( *´艸`) 玲ちゃんのお絵描きエッセイにて、今回の企画のメイキングを綴っていらっしゃいますので、是非そちらもご覧になって下さい。 はじめておえかきしてみた。 https://estar.jp/novels/25641220 玲ちゃん。 この度はデザイン企画に参加いただきありがとうございました...♪*゚ 続きます→
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