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辛うじて繰り出される捨て身のパンチ。
しかし"それ"には毛ほども効かない。
命を捨て去る対価には釣り合わない。
だが男は立ち向かうことを止めない。
勝とうとすることを止めない。
死を恐れないことを止めない。
「鬱陶し……っ!?」
何十回……いや何百回目の死を体現したころだろうか?
男の放った貧弱なパンチが鳩尾に当たったとき、"それ"は違和感を感じた。
「これは……痛み!?」
初めての感覚であった。
瞬間、男は肉片と化すが、再び現れて鳩尾を殴り付けた。
「ごぱぁっ!!」
次に感じたのは鋭い痛み。
アッパーカットが深く突き刺さったのだ。
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