最弱HERO

3/5
前へ
/5ページ
次へ
辛うじて繰り出される捨て身のパンチ。 しかし"それ"には毛ほども効かない。 命を捨て去る対価には釣り合わない。 だが男は立ち向かうことを止めない。 勝とうとすることを止めない。 死を恐れないことを止めない。 「鬱陶し……っ!?」 何十回……いや何百回目の死を体現したころだろうか? 男の放った貧弱なパンチが鳩尾に当たったとき、"それ"は違和感を感じた。 「これは……痛み!?」 初めての感覚であった。 瞬間、男は肉片と化すが、再び現れて鳩尾を殴り付けた。 「ごぱぁっ!!」 次に感じたのは鋭い痛み。 アッパーカットが深く突き刺さったのだ。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加