最弱HERO

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「うおおおお!!」 1人の男が、握りしめた拳を放つ。 しかしそれは届くことはなく、彼の体は大きな腕の直撃をくらって四散する。 「ふん…雑魚が」 どす黒い体色の"それ"は吐き捨てるように言う。 見た目は人型なのだが、目や鼻や口が見当たらない。 明らかに異質な存在。 "それ"は、きびすを返して歩き去ろうとしたが、後ろから声が聞こえる。 「まだ終わっちゃいねぇよ!」 振り向くと、先ほど肉片と化した男が無傷で立っていた。 そう、彼は何度でも生き返る(リスポーンする)ことができるのだ。 「…ゴミがいくら歯向かおうと無駄だ。雑魚は雑魚らしく屈していろ」 「けっ! 俺は負けるためにてめえに挑んでんじゃあない…勝つために挑んでるだよ!!」 再び男は走り出す。 勝ちを勝ち取るために。
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