同室者は知り合いだった

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湊 side 夜中、パッと目が覚めた。時計を見ると短い針が三時の方向を向いている。 嫌な予感がした。 「く…な。はなせ…ぅぅぅううぅぅぅうううぅぅぅう」 ッ…もう始まったのか… れおの悲痛な叫びが聞こえたと同時に俺はレオの部屋に全力ダッシュした。 部屋の中に入ると案の定、怜央は苦しんでいた。 「れお?おきて。おきて。」 「…嫌だ……いやだ…や…だ」 返ってきた言葉は、いやだ。だけ。 チッ……やっぱりダメか… どうやって起こそうか考えていると急に 「死にたい死ねない死にたい死ねない死にたい死ねない死にたい死ねない死にたい……」とボソボソとうわ言のように言い出した。 どんどんと呼吸が早くなっていく。 死にたい死ねない死にたい死ねない死にたい死ねないハヒュ…ヒュッ…しね…ヒュッな…ゴホッ まずい、過呼吸で呼吸困難になってる…… 必死に叫んだ。起きろ!!玲央!!生きろ!!玲央!!大丈夫!!!!大丈夫だから!! 「ッれおッ!!おい!!起きろ!!れおッ!!大丈夫。落ち着け。俺がいる!!!」 れおの瞼から涙が出てきた。意識をこっちに持ってこれたらしい。 「ッ…泣くな、れお!!……ッッ」 俺は、ベットで苦しんでいる玲央を抱き抱えた。 「よーしよし。大丈夫。目、開いたな…おちつけ。れお。呼吸を整えて。」 横抱きをしながら背中をトンットンッと叩いて落ち着かせる。 なでなでと頭を撫でる。 「不安だったよね。大丈夫。大丈夫。君は1人じゃないよ。」 瞼に着いた水滴を拭いながら言う。 怜央は震える口を開き 「…おれ、僕のッ返して。返して…グスン」 と言い また、泣いた。 「もう、れお。大丈夫。ちゃんと大事に持ってるよ。いいこいいこ。」 そういいながら、僕はれおの首に手をかける。優しく。優しく首を掴む。 「ふッ……はやくぅ…かえせ…ふぇぇぇぇ」 泣いてる怜央もかわいいなぁ。 けど、今は玲央優先。 「わかってる。付けるからね。」 そう言って俺はネックレスを首にかけた。 「ありがと…グスン…付けてくれてありがと」 「れお、疲れた?」 「つ”か”れ”た”ぁぁあ。もう寝る!もう寝るもん。」 もんだって!!可愛すぎかよぉぉ!! けど俺は平然を装い 「つかれたねぇ。おやすみしようか?ほら、ギューーッ」 といい、両手を広げる。 「ギューーッ。…」とれおに返されて少々びっくりしたが嬉しさの方が大きかった。 「おやすみれお。」 そう言うと、れおは気を失ったように寝た。 れおは、元々はこんな喋り方だった。 甘えたさんで幼い。ちょっと理不尽に当たられるがそこが可愛い。 けど、今は自己防衛機能が働いて口が悪い。すこぶる悪い。 今日みたいに、寝起きの時や取り乱した時、嬉しい時、落ち着く人がいた時、大好きな人がいた時なんかは素の自分を取り戻す。 腕の中にいる玲央を見ながらほっぺにキスをする。本当に可愛い。 「僕の愛しい愛しいれお。僕が絶対守ってあげるからね。」
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