同室者は知り合いだった

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「れおはかわいいね。まつ毛が長くて綺麗な二重。ぷっくりした唇にキスしたい。あぁ!!なんて素晴らしい造形美、鼻から唇、唇から顎の2対3の比率は黄金比.......鼻は日本人ぽい高さ。だけど顎が少し出てるからEラインが綺麗にできている。しかも!!赤ちゃんみたいにほっぺがぷにぷにしててかわいいあかちゃんみた「ツンツンするんじゃねぇよ!!」 「あ?起きた?」 「起きた。てか、なんで俺はお前と抱き合ってるんだよ。説明しろ」 「うーん。そうだなぁ、強いて言えば俺がしたかったから?」 カチーンっときた。 「今すぐ離せ!!はなれろ!!」 「やだよー。れお、俺はまだギューーッてしてたいの!!」 お前の事情なんて関係ねぇんだよ。してたいの!!とかきっもちわるい.......…あれ、なんでだろう。すっごくスッキリしてる。けど、心の中がすっぽり空いたみたいな感覚。自分で喋ってるはずなのにふわふわして自分が自分じゃないみたいだ。 言うなればそう、俺と湊の間にガラスの壁がある.......みたいな感じ。手が届かない不思議な力から守られてる感覚。 …まぁ、深く考えてもしょうがないよな!!分からないものは分からないし、俺に野生の勘なんてないはずだし、現代人に備わってる勘なんてたかがしれてる。そりゃ、俺が原始人ならこの勘も信じられるけど俺は普通の男子高校生。 持ってる勘なんてテストの山を当てることだけだ。 この勘、意外と使える。.......まてよ、勘っていうのか?先生の行動を予測して知らない間に心理的に分析をしているだけでは?それを「勘」と勘違いしてる。「勘」だけに.......www 寒い。 そんなことより!!!! 「ご飯食べたい!!早く作って!!僕、お腹空いたぁ〜」 めっちゃ、お腹がすいた。早く作りやがれ。俺の腹に飼ってる野獣が騒がしい。 「れ…お。今、僕って…」 「え、そんなこと言ったっけ?」 「……いや、なんでもないよ。顔洗っておいで!!その間に作っとくから。」 変なやつだな。様子がおかしいがここは言葉に甘えておこう。 「わかったー。行ってくる。」 俺は洗面所に向かったから分からなかったが 湊の顔はほんのり赤くなっていた。 「あんのッ、無自覚バカ」
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