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「もう、気になることはない?」
「えっとー。あ、そうだ。お前、親衛隊いるのか?」
これも聞きたい。今後の接し方に関わる。
「居るよ〜。だって、僕イケメンじゃん?それに、役員はほとんど居るよ。だって、投票で決まるんだし」
「………じゃあな!!これから俺に関わるな。」
そう言って逃げようとすると即座に手を掴まれた。あいつの瞬発力…すげぇ。
「なぁに?玲央?どうして逃げようとしたの?」
めっちゃ、笑顔が怖い。ひゃぁ。
「いやぁ?えっと、、…なんでもない」
諦めた。無理。断念。無理だろ。無理無理。
.......手を握る手が少し緩まれた。
今だ。
俺は、体を動かし湊の腕を胸に近づけて
「せいやぁぁぁぁあ」
背負い投げをかます。まぁ、上手くいかないのが現状だがこれでいい。
「れぇお?何してんの?なに、背負い投げかまそうとしてんの?俺が気づいてなかったら俺投げられてたんだけど?」
湊とは長い間一緒にいたのでやっぱりバレバレだったな。
体制さえ崩せばこっちのものだ。
相手の背を取り、確実に体が動きにくくなる所をおさえる。
「れぇお?これはお仕置きして欲しいと見ていいのかなぁ?僕、これでも風紀だよ〜?強いよ俺?」
「へっwwお前が俺に勝てたことなんてないだろばぁかww」
アメリカにいた時、俺達はことある事に男の喧嘩をしていた。まぁ、殴り合い蹴り合いのオンパレード。俺は、剣道、柔道、護身術、武術、弓道などなど他にも沢山のことが出来ていた天才だった。8歳で全部マスター。きゃぁ、俺ってすごい。
「僕もね?強くなったんだよ。前みたいにはいかないよ?」
「お前、イケメンだし顔だけは避けてやるよ?」
「「おりゃぁぁぁぁぁあ」」
湊が蹴りを入れてきたので、しゃがんで避ける。ついでに、しゃがみながら回し蹴りを決め相手がバランスを崩した瞬間に距離をとる。
やっぱり、胴体が大きい奴は簡単に倒れないよな…
「手加減してよね〜。いったぁ」
「最初の回し蹴り、フェイクにしときゃ良かったのにwwそしたら、俺がしゃがんだ瞬間に回した方の足を俺にぶつければwwwやっぱり、変わらないよなww」
「指南役ありがとうございます〜。」
そう言いながら、湊は俺の方に走ってきた。
遅いよなぁ〜。「せりゃぁッッ」といい拳をぶつけてこようとしたので俺は「バーガ。見え見えなんだよ。」といい、相手の両肩に両手を置き逆立ちをして避ける。地上に降りる瞬間に腰に蹴りを入れれば俺の勝ちが確定だったのだが……
「ッッ……チッ……」
「もう、そっちがフェイクにすればいいって言ったんでしょ?」
そうは言っても、いまさっきの殴り。フェイクだとしても勢い的に、無理だと思っていた。
俺は押し倒されながら、どうしようかと次の作戦を考える。
押し倒し、絞め技をして確実に動けなくしている湊。うーん。体格差がありすぎなんだよな。体格差がなければ、脱出できるんだが。
アッパー…は、ダメか。顔が傷つく。
「もうギブ?」
「それはどうかなッッ」
そう言って俺はポケットに入ってる秘密兵器「秘密のスプレー」をかけた。
このスプレーは俗に言う催涙スプレーとか防犯スプレーとかそっち系のスプレーで体を麻痺させたりムスカ大佐みたいに「目が目がァ」て叫ばずには居られないそんなスプレー。
研究をしていた時に作った。
「まじかよ〜。もう、玲央のバカ。これはなしでしょ。」
「ごめんね、湊。このスプレーあげるから許して」
「効果は?」
「相手を30秒動けなくする。まぁ、効果は防犯スプレーのちょっと効果が高いぐらい。」
「風紀で使用は?」
「うーん。一応、安全だけど使いすぎたらダメだぞ…あと、量産が出来ないのがデメリットだと思うwだって、こっちでそっち系のものを作ること無さそうだしwwそれに、このスプレーの材料は研究所とかちゃんとした所で作んないと無理ー」
まぁ、俺は知っての通り大学卒業してて色んな資格を持っている。
「おっけー。いつもありがとうね〜」
湊とは、湊が日本に行ったあとも交流があり、俺が作った試作品の実験台になってくれたドM。そして、完成品を送るというウィン・ウィンの関係。まぁ、やつが風紀に使ってるとは思わなかった……だからか!!「もっと、痛くなる薬」やら「相手に恐怖をあたえる薬」やらを作ってくれと頼まれてたのは……。ご愁傷さまです。
「いっけね、もう、8時じゃねぇか…もう動けるだろ。準備して行こうぜ」
「ほーい」
そう行って湊は自分の部屋にカバンを取りに帰っていった。
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