恋の行方 7-2

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恋の行方 7-2

 しばらく芽生くんのあどけない手を握りしめ、僕も……うとうとしていると、宗吾さんに呼ばれた。 「ぐっすりだな。もう……」 「はい……」 「おいおい、瑞樹は今日はそのまま寝ちゃだめだぞ」 「あっはい」  もう……心臓がどうにかなりそうだ。僕はそっと芽生くんの布団を抜け出した。  宗吾さんが迎えに来てくれたので、いよいよだ。  僕たちが抱き合う場所は……僕の部屋なのかと思ったので、宗吾さんの手を逆に引っ張ろうとすると、意外そうな顔をされた。 「瑞樹、どこへ行くつもりだ?」 「え……あの、僕の部屋なのかと。だって……」  宗吾さんの部屋は前の奥さんと過ごした場所だし、あのベッドだって……奥さんと使ったものだから。  流石に、そこまでは言えなかったが、どうやら僕の中にも一人前に嫉妬心というのが芽生えていたらしい。 「瑞樹、それ嬉しいよ」  いきなり宗吾さんにバッグハグされてしまった。 「あっすみません。そんなつもりじゃ……いや、正直に言うと……嫉妬してしまいました」 「瑞樹の口からそんなこと言ってもらうなんて、幸せだ」  なんで宗吾さんが喜ぶのか、分からない。 「おいで、見て欲しい」  グイっと手を引かれて、宗吾さんの寝室に入ると驚いた。 「え……なんで」  最後にここに泊まった時、ふたりでじゃれ合ってこの部屋に入ったが、ガラリと雰囲気が変わっていた。 「あ……カーテンの色が違う」 「そうだよ。こういう色が好きだろう」 「はい。モーブ色はとても好きです」 「ほら、もっと中へおいで。ベッドも見て欲しい」  ベッド?   そのまま視線を移して更に驚いた。いつの間に買い換えたのか。  それまではシングルとセミダブルが並んでいたのに…… 「大きくて……広いです」 「これはキングサイズだよ。ここは君と過ごすための部屋に一新した」 「あっ……」 「これなら激しく動いても、もう落ちないだろう」  もう卒倒しそうだ。そんな風にあからさまに求められて。 「そんな……」 「もう待ったはなしだぞ」 「はい……」  僕は宗吾さんに押し倒されるように、広いベッドのシーツの上に仰向けに寝かされた。そのまま宗吾さんが体重をかけないように気遣いながら、僕の真上に覆い被さってきた。  優しい影が唇に近づいて……最初は啄むような口づけを受けた。  初めて交わした口づけを彷彿させる淡い色から、それは徐々に濃さを増して行く。 「あ……」 「好きだよ。好きという言葉で片付けられない程、君に恋してる」 「僕もです、宗吾さんが僕をここまで導いてくれました」 「今日は最後まで抱くよ」  耳元で甘く低い声で囁かれ、僕は宗吾さんの首に手を回して頷いた。 「……そうして下さい」    
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