恋の行方 10-2

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恋の行方 10-2

 瑞樹の脚を更に大きく開き、しっかり肌と肌を密着させて、俺のものをググっと呑み込ませていく。蕩けるような熱を感じる皮膜……そのまま突き進み、奥へ奥へと入っていく。 「うっ……あっ」  瑞樹は一瞬顔を歪めた。  ほんの一瞬、前の彼氏を思い出したようだった。  俺が繋ぎとめる。 「今……瑞樹を抱くのは誰だ? 」 「そっ……宗吾さんです。僕の……宗吾さんです」  瑞樹がギュッと閉じた目を開けて、俺をしっかりと見つめた。  その表情が、俺の心を揺さぶる。 「やっとだな。やっと一つになれた。君と繋がれた」 「……は……い」  そこからはもう夢中だった。  瑞樹の形のよい額、耳、頬、唇──  あらゆる所に、キスの雨を降らし、君を濡らしていく。  しっとりと瑞々しい躰が匂いたつように艶めかしい。 「動くよ」  小刻みに、まるでさざ波を作るように俺は腰を擦り合わせた。 「んっ……あ、あっ」  瑞樹から甘ったるい吐息が届く。快楽の海に溺れていく瑞樹と一緒に俺も潜っていく。  更に腰を抱き上げ、脚を大きく開かせて動く。  今度の波は大きい。 「しっかり掴まっていろ!」  瑞樹が悶えるように手を伸ばし、俺を抱きしめてくれたので、俺も瑞樹の細い体をキツク抱いてやった。  ふたりで大きな波を乗り越えていく。  共に弾けよう──  最後にとばかりに、大きく腰をぐるりと撫でつけるように回すと、頭がパーンっと真っ白になった。  うっ……良すぎるっ、瑞樹── 「宗吾さん……」 「瑞樹っ……くっ……」  くらくらする。  瑞樹の中が良すぎて眩暈がするよ。  二人は同時に放っていた。  こんな風にすべてをかけて抱くなんて。俺が今までしてきたものは何だったのか。  俺が瑞樹を求め、瑞樹も俺を求めて、ふたりの息がぴったりと合って……この1年間追い続けていた瑞樹のすべてを、俺は今、見せてもらった。  同時に俺のすべても君に──捧げた。 「……こんな宗吾さん……初めて見ました」    瑞樹が幸せそうに笑った。  濡れた肢体はどこまでも艶めいているくせに、花が咲くような美しい清廉な笑顔を浮かべていた。 「瑞樹のすべてを見せてもらったぞ」 「宗吾さん、僕は……もうあなたにしか……抱かれません」 「そうだ。俺も君だけを抱く。ずっと抱き続けるよ」  もう一度口づけから始めよう。  1年間も待ったんだ。  もっともっと、君を知りたいから。 「もう一度はじめから……」 「ふっ、いいですよ。宗吾さんが飽きるまで」 「好きだ、大好きだ」 「僕も好きです。大好きです」  欲しい言葉を惜しみなく与えてくれる瑞樹に、涙が出そうになる。  君を抱くと、俺の心は潤っていくよ。  優しく愛おしい気持ち。目の前にいる人を大切にしたい気持ち。  全部、瑞樹が教えてくれた。 「宗吾さん、僕は……『恋の行方』を捜していたのかも……しれません」 「うん?」 「あの日……失った恋は、新しい恋に生まれ変わって、ちゃんとここにありました」 「そうか……もう永遠に、瑞樹の恋心は、俺の元に留まるだろう」 「それがいいです。もう僕は……それがいいです」     『恋の行方』 了 あとがき(不要な方はスルーご対応) **** 志生帆海です。いつも読んで下さり、ありがとうございます。 ようやく二人の逢瀬を書けました。 ここまで来るのに長くなってしまい、すみません。 1年越しなので中途半端にしたくなくて、心を込めてじっくりと。 でもRシーンを書くのは、結構体力がいりまして、少し脱力です。 明日もう1話だけ瑞樹視点で、同じシーンを更新予定です。 皆さんからのスターを糧に、いつも更新しております♡ 本当に励まされています。いつもありがとうございます! この先も、ようやく結ばれた二人のラブをもう少し書きたいと思いますので、 お付き合いいただけたら嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いします。
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