8000人が本棚に入れています
本棚に追加
恋の行方 10-2
瑞樹の脚を更に大きく開き、しっかり肌と肌を密着させて、俺のものをググっと呑み込ませていく。蕩けるような熱を感じる皮膜……そのまま突き進み、奥へ奥へと入っていく。
「うっ……あっ」
瑞樹は一瞬顔を歪めた。
ほんの一瞬、前の彼氏を思い出したようだった。
俺が繋ぎとめる。
「今……瑞樹を抱くのは誰だ? 」
「そっ……宗吾さんです。僕の……宗吾さんです」
瑞樹がギュッと閉じた目を開けて、俺をしっかりと見つめた。
その表情が、俺の心を揺さぶる。
「やっとだな。やっと一つになれた。君と繋がれた」
「……は……い」
そこからはもう夢中だった。
瑞樹の形のよい額、耳、頬、唇──
あらゆる所に、キスの雨を降らし、君を濡らしていく。
しっとりと瑞々しい躰が匂いたつように艶めかしい。
「動くよ」
小刻みに、まるでさざ波を作るように俺は腰を擦り合わせた。
「んっ……あ、あっ」
瑞樹から甘ったるい吐息が届く。快楽の海に溺れていく瑞樹と一緒に俺も潜っていく。
更に腰を抱き上げ、脚を大きく開かせて動く。
今度の波は大きい。
「しっかり掴まっていろ!」
瑞樹が悶えるように手を伸ばし、俺を抱きしめてくれたので、俺も瑞樹の細い体をキツク抱いてやった。
ふたりで大きな波を乗り越えていく。
共に弾けよう──
最後にとばかりに、大きく腰をぐるりと撫でつけるように回すと、頭がパーンっと真っ白になった。
うっ……良すぎるっ、瑞樹──
「宗吾さん……」
「瑞樹っ……くっ……」
くらくらする。
瑞樹の中が良すぎて眩暈がするよ。
二人は同時に放っていた。
こんな風にすべてをかけて抱くなんて。俺が今までしてきたものは何だったのか。
俺が瑞樹を求め、瑞樹も俺を求めて、ふたりの息がぴったりと合って……この1年間追い続けていた瑞樹のすべてを、俺は今、見せてもらった。
同時に俺のすべても君に──捧げた。
「……こんな宗吾さん……初めて見ました」
瑞樹が幸せそうに笑った。
濡れた肢体はどこまでも艶めいているくせに、花が咲くような美しい清廉な笑顔を浮かべていた。
「瑞樹のすべてを見せてもらったぞ」
「宗吾さん、僕は……もうあなたにしか……抱かれません」
「そうだ。俺も君だけを抱く。ずっと抱き続けるよ」
もう一度口づけから始めよう。
1年間も待ったんだ。
もっともっと、君を知りたいから。
「もう一度はじめから……」
「ふっ、いいですよ。宗吾さんが飽きるまで」
「好きだ、大好きだ」
「僕も好きです。大好きです」
欲しい言葉を惜しみなく与えてくれる瑞樹に、涙が出そうになる。
君を抱くと、俺の心は潤っていくよ。
優しく愛おしい気持ち。目の前にいる人を大切にしたい気持ち。
全部、瑞樹が教えてくれた。
「宗吾さん、僕は……『恋の行方』を捜していたのかも……しれません」
「うん?」
「あの日……失った恋は、新しい恋に生まれ変わって、ちゃんとここにありました」
「そうか……もう永遠に、瑞樹の恋心は、俺の元に留まるだろう」
「それがいいです。もう僕は……それがいいです」
『恋の行方』 了
あとがき(不要な方はスルーご対応)
****
志生帆海です。いつも読んで下さり、ありがとうございます。
ようやく二人の逢瀬を書けました。
ここまで来るのに長くなってしまい、すみません。
1年越しなので中途半端にしたくなくて、心を込めてじっくりと。
でもRシーンを書くのは、結構体力がいりまして、少し脱力です。
明日もう1話だけ瑞樹視点で、同じシーンを更新予定です。
皆さんからのスターを糧に、いつも更新しております♡
本当に励まされています。いつもありがとうございます!
この先も、ようやく結ばれた二人のラブをもう少し書きたいと思いますので、
お付き合いいただけたら嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いします。
最初のコメントを投稿しよう!