恋心……溢れて 1-2

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恋心……溢れて 1-2

「そろそろいいか。力を抜いて」  脚を更に大きく開かれ、宗吾さんの下半身としっかり密着させられた。すぐに僕の中へ彼がやって来た。僕の内部があなたを迎え入れて……燃えるような熱で一気に奥深くまで貫かれた。 「うっ!あっ……ううっ」  一馬っ?   突然、思い出してしまった。  アイツの顔が脳裏を過る。  最奥に受け止めた最後の一夜のことも蘇る。  形を覚えておこうと、何度も強請ったあの日の情事までも!  駄目だ! 駄目……!!  慌てて目をギュッと瞑ると、宗吾さんに耳元で何度も呼ばれた。 「瑞樹っ、今……瑞樹を抱くのは誰だ? 」 「そっ……宗吾さんです。僕の……宗吾さんです」  そうだ、僕を抱くのは宗吾さんだ。  僕が今愛しているのは、目の前にいる宗吾さん!  だから必死に目を開いて、しっかりと彼を見つめた。 「やっとだな。やっと一つになれた。君と繋がれた」  宗吾さんを確認すると……あとはもう夢中だった。  額、耳、頬、唇──キスの雨が降り続ける。僕の躰がしっとりと水を吸い濡れていく。同時に躰の内側から水分が溢れるように満ち足りた気持ちになっていた。 「動くぞ」  宗吾さんと僕はそれからふたりで抱き合い……小刻みに、まるでさざ波を作るように腰を擦り合わせた。 「んっ……あ、あっ」  僕の口からはもう甘ったるい吐息しか出なかった。快楽の海に溺れていくようだ。やがて腰をホールドされ、最後の大波を受け止める準備をした。 「しっかり掴まっていろ!」  僕も必死に彼の背中にしがみつき、宗吾さんも僕をきつく抱きしめた。  腰をぐるりと撫でつけるように大きく回され、甘い痺れの後、脳内がパーンっと真っ白になった。 ふたりで大きな波を乗り越え、弾けた!   もう宗吾さんが良すぎて、どうにかなりそうだ! 「宗吾さん……」 「瑞樹っ……くっ」  僕の中に潜り込む宗吾さんのモノがあまりにフィットするので、クラクラと目眩がするようだった。  こんなにも、あなたのモノがしっくりくるなんて――!  ずっと待たせて、待って、やっと辿り着いた奥深い場所での逢瀬で、宗吾さんのすべてを捧げてもらったような充足感に包まれていた。  彼の躰からは汗が流れ精悍な色気で満ちていた。すべてを僕に注いでくれたのが身をもって感じられた。  あの日一馬に置いて行かれて、行き場のなくなった僕の恋心。  彷徨って守って……ここに落ち着いた。  宗吾さんの胸に抱かれて彼の鼓動を聞けば、僕はそこに到着した恋心を確かめることが出来た。  ドクドクと規則正しい鼓動が聞こえる。 ****  夢の中で思い出していたら、躰がまた熱くなってきてしまった。  わ……僕っ……まずいっ  慌てて寝返りを打つと宗吾さんに見つかってしまった。  もう、恥ずかしいっ! 「どうした? 瑞樹……もしかして眠れないのか」
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